消費
なにかもやもやしていることあって、それがなんだかわからない。
いや、自分が何でもやもやしているのかはわかっている。
しかし、どうそのもやもやを解消していいのかがわからない。
あらゆるものが消費されていく。
誰かが精魂込めて作ったものもつまみ食いされ、不味いと言われる。
いや、「まあ、おいしい」とだけ言って次のものに手を出すのも同じ。
真剣に不味いと言ったほうが何倍もまし。
全てのものが、「できるだけ多くの人に」というスローガンを採用している。
その結果、世界にはびこるのは子猫とポルノ。
それが人間なのか?
人間という存在は他の動物と違うのではなかったか?
自らの頭で考え、決断する。
それが短期的な利益を生まないものだとしても。
何かを口にした瞬間に、その言葉を基にデータベースの中から似たような類型の人間を見せられ
「君はこういうタイプの人間か」とレッテルを貼られる。
僕がほしいのはレッテルや性格診断じゃない。
どうすれば、この世で一人の、未だかつてこの星に現れたこともなく今後も現れないであろう自分になれるか。
その答え。
答えを他人に求める時点できっと間違っている。
一生は積み重ねだから、僕の人生がいかに唯一無二であるかはある程度長く生きてみないとわからない。
全ての人間が有名人になれるわけではないから、みんなどこかのレベルで自己承認欲求に歯止めをかけなければいけないのは分かってる。
「わきまえる」というやつだ。
しかし、僕の欲望は際限なく広がっていく。
どこまでも認められたい。
どこまでも愛されたい。
自分が誰かを認めたり愛したりすることもないまま、欲求だけが肥大していく。
こうして僕も何かを消費するだけの存在として一人前になっていく。